レポーター
名前:岩本 直樹
(いわもと なおき)
会社名:鹿島建設株式会社
入社年:2003年入社 6年目
学部専攻:工学系研究科
出身地:兵庫県
趣味:登山・スキー

明治生まれの"先輩"に敬意を込めて

November 4 [Tue], 2008

工事中の裏高尾橋と交差する交通の大動脈があります。
(中央自動車道や旧甲州街道との交差は以前に書きました)

今日、紹介するのはJR中央本線です。
高尾駅と相模湖駅の間にある鉄道トンネルの真上を
工事用道路が通っています。
完成後の裏高尾橋はトンネルが通る山の脇を跨ぎます。

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工事中はJR中央本線に影響を与えないよう
常時監視しながら作業をしています。

具体的には、中央本線のトンネルの内部に
自動で変位を計測する装置を設置し、
継続して変動を監視しています。

管理基準以上の変動があれば、
現場事務所でアラームが鳴るのと同時に
工事関係者の携帯電話に連絡が入るシステムです。

計測装置を設置したJR湯の花トンネルは
明治期のレンガ造りのトンネルです。

kajima1104_1.jpg
今も現役の大切な土木構造物の"先輩"と交差して
新しい橋の工事が、今日も進んでいます。

視線を導く影

October 17 [Fri], 2008

2枚の完成予想フォトモンタージュを見比べて下さい。
違いがわかりますか?
(上が原案で、下が採用案です)

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TAKAO1017_02.jpg

橋脚の表面に違いがありますね。
上はのっぺりとして見えるのに対し、
下は影が見えます。


この影は、橋脚表面に設けた凹凸やスリットによるものです。
表面に生じる影によって視線が縦方向に導かれ、
橋脚をよりスリムに見せることができます。
結果として、橋脚の圧迫感を低減させることができます。

そういった目でもう一度、2枚のフォトモンタージュを見比べてみてください!


さらに、陽の位置による陰影の移り変わりから、
橋脚に表情が生まれる効果もありますよ。


今、橋脚は仮設足場に覆われて全体像が見えませんが、
景観に配慮した仕掛けが、進行しています。

※お断り:フォトモンタージュの橋げた部分の色については
     最終採用案とは異なります

新撰組と裏高尾町

October 10 [Fri], 2008

『甲陽鎮撫隊』
この名前を聞いてピンときた方は、
幕末の歴史に造詣が深い方かと存じます。

鳥羽伏見で破れた新撰組。
近藤勇、土方歳三らは「甲陽鎮撫隊」を組織し
江戸から甲州へ向かいます。
官軍と再び戦火を交えるも破れ、
組織的戦闘能力を失った「甲陽鎮撫隊」は
新撰組の事実上の終焉ともいわれています。

私たちが工事をしている八王子市裏高尾町は
「甲陽鎮撫隊」が甲州へ向けて進軍した歴史のある土地です。
工事エリアの中心を『旧甲州街道』(現在の都道516号線)が通っています。
この旧甲州街道の上を跨ぐ形で裏高尾橋が架かります。
工事をさせていただいている土地の歴史に
思いを馳せることも、土木屋の醍醐味だと思います。

読書の秋に、この土地に関わる本を読みながら
改めて、この土地の歴史のことを知りたいと考えています。
(写真は、現場から数百メートルのところにある
江戸時代の関所「小仏関」の跡地を利用した公園です)

橋脚と二酸化炭素排出量

September 30 [Tue], 2008

(前回は、裏高尾橋の橋脚に、強度の高い鉄筋とコンクリートを組合わせて用いていることを紹介しました。)

今回は二酸化炭素排出量(CO排出量)を ものさし にして、
強度の高い材料を使うメリットを紹介したいと思います。

鉄筋を工場で製造する時や
コンクリートを工場で製造する時、COが排出されます。
また、工場から工事現場まで
鉄筋など資材を運搬するときに発生する
COも無視できないものがあります。


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しかし、強度の高い鉄筋やコンクリートを使えば、
橋脚と基礎がスリムになり、材料の総使用量が減るので、
CO排出量を抑えることにつながります。

裏高尾橋でも、CO排出量を当初計画から2〜3割削減できる見込みです。


鉄筋コンクリートの橋脚はなにも語らねど、
静かにエコしています。

※参考資料 橋梁と基礎 2006年8月 
 p124-127 「ライフサイクルデザインのすすめ」

橋脚は何も語らねど

September 24 [Wed], 2008

基礎工事が完了したところは
鉄筋コンクリート構造の橋脚工事が進んでいます。
写真は建設用リフトの両側に進捗中の橋脚工事の様子です。

kajima01.jpg

裏高尾橋では橋脚の主筋(鉛直方向の鉄筋)と
帯鉄筋(水平方向の鉄筋)に、
USD685と呼ばれる種類の鉄筋を用いています。
USD685は強度が高く(一般的な鉄筋に比べて2倍近い強度)、
伸び性能にも優れた鉄筋です。

橋脚のコンクリートも、強度の高いものを用いています。

このように強度の高い材料を組合せ、
地震にも粘り強い性能になるように工夫された橋脚を採用すると
橋のディテールはどうかわるのでしょうか?

まずは、橋脚をスリムにすることができます。
そして、橋脚だけでなく、基礎も小さくすることが可能になります。

こうすることによって、
(1)橋全体の工事費を安くすることができます。
また、(2)工事の期間を短くすることにつながります。
そして、(3)環境に優しいのです。

環境に優しい理由は次回に詳しく書きます。

もうひとつ、基礎が完成!

September 2 [Tue], 2008

裏高尾橋工事で、二つ目の基礎完成を迎えました!

この基礎を手がけて、かれこれ丸一年です。

百聞は一見にしかず。
同じ場所から撮影した写真のコレクションをご覧下さい。
去年の9月から今日までの写真、12枚です。

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熱中症の『特効薬』!

August 21 [Thu], 2008

近頃めっきり涼しくなってきました。
今年の夏も暑かったですね。

夏、外での仕事は暑さとの闘いでもあります。
熱中症にならないためには、
日々の体調管理はとても大切です。

それに加えて、裏高尾橋工事では、熱中症対策の特効薬があります!

一つ目は、所長と事務係の方が作ってくださる
『しそジュース』と『梅ジュース』です。

写真1.JPG

ほどよい甘酸っぱさが、現場での疲れを吹き飛ばします。
特にコンクリートの打設の日には手放せません!

二つ目は、熱中症予防の目安となる暑さの指標「WBGT値」の計測です。
夏は毎日現場で計測し、その日の熱中症になりやすさを場内に掲示します。

今日の11時のWBGT値は
中央道の近くで27度
仮設桟橋上で26度
ニューマチックケーソン付近で28度です。
(25度以上で警戒レベル、28度以上で厳重警戒レベル、31度以上で原則運動中止という目安があります)

差し替え2.jpg


夏もあと少し。
午後からも『梅ジュース』と『しそジュース』持参で、現場に向かいます!

スキューバダイビングと裏高尾橋工事、その知られざる関係

August 8 [Fri], 2008

高尾山の麓でスキューバダイビング?
不思議に思えますね。

この関係を理解するには、
ニューマチックケーソン工事の『高圧室内業務』という
作業環境が鍵となります。


ニューマチックケーソンの作業室には
「圧力を高めた空気」を配管から送っています。
(「圧力を高めた空気」がイメージしづらい方は、
圧力鍋からシューっと噴く空気を想像してください)

そもそも、圧力を高めた空気を送るのはなぜでしょうか?

深度が深くなればなるほど、地下水の水圧は高くなります。
一方、作業室内の気圧が一定のままでは、
徐々に高くなる水圧に負けて
作業室の中に水が入ってきます。

そこで、圧力を調整した空気を送り、
水圧とバランスするように管理しています。
このため、作業室が水浸しになることはありません。


「圧力を高めた空気」の作業室の中は、
スキューバダイビングで海に潜った状態と
圧力環境が似ています。
それが、ニューマチックケーソン工事がとりもつ
スキューバダイビングと裏高尾橋工事の関係です。

この『高圧室内業務』には、
特別な教育を受けた職人さんたちが作業にあたります。


私も作業室の中へ入り、
工事の進捗を確認しています。
下の写真は作業室の中の様子です。

現在、2基のニューマチックケーソンは共に
地下10m程度の深さを掘削中です。
深い方であと16.5mほど、沈下掘削は続きます。

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※)裏高尾橋工事のニューマチックケーソン基礎は、
  土木学会誌8月号の「ぶらっとぉ土木現場」で
  取り上げられています。

お風呂に沈めるコップと橋の基礎、その知られざる関係

July 31 [Thu], 2008

幼いころ、湯船にコップを逆さに沈めて遊んだ経験は、
どなたにもあると思います。
バランスよく逆さに沈めたコップの中には
空気が溜まったままで
お湯は入ってきませんでしたよね?

この原理を利用した橋の基礎があります。
それが「ニューマチックケーソン基礎」です。
現在、小仏川沿いで2基のニューマチックケーソン基礎が工事中です。

ケーソン遠景.jpg

キーワードは「川沿い」です。
川沿いに基礎を造ろうと、坑(あな)を掘れば、
水みちができて地下水を坑に引き込み、
川の水位が低下したり
大雨で増水した川がオーバーフローして
坑に水が流れ込むなどのリスクがあります。
しかし、ニューマチックケーソン工法を採用すれば
川に影響を与えず、また、川から影響を受けずに
基礎を造ることができます。

この工法のポイントとなる
「逆さコップにお湯が入ってこない原理を利用」
とはどういうことなのでしょうか?

ニューマチックケーソン基礎は
まず(地下ではなく)地上に、鉄筋コンクリートの基礎を造ります。
この基礎の底、地面と接している部分に
外から直接は見えませんが、
「作業室」と呼ばれる空間を備えています。
この作業室は気密空間で、
逆さにしたコップの空気が溜まっているところに相当します。

この「作業室」の中に、機械と人が入り、地面を掘り下げます。
掘り下げる量をコントロールして、
地上に造った基礎を地下に沈めてゆきます。

沈めてゆく過程で、川の水位よりも深いところにきても、
作業室は気密性が保たれているので、中に水は入ってきません。
逆さコップの中にお湯が入ってこないのと同じです。

もちろん、沈める量や傾き具合を常に計測・監視しながら
バランスよく掘りすすめていくことが大切です。

こうして、川の水位に影響を与えないように掘りながら
設計どおりの深さまで基礎を沈めてゆきます。


しかし、ニューマチックケーソン基礎の最大の特徴は、他にあります。
次回はそのことについて書きます。

「あれはタワーですか?」

July 8 [Tue], 2008

裏高尾橋の工事エリアでひときわ目立ち、
タワーにも見える設備があります。

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これは『建設用リフト』と呼ばれる設備です。
わかりやすく書くと、「工事用車両のエレベータ」です。


中央道側の仮設桟橋に比べて
高尾山側の仮設桟橋は
約22m低くなっています。

高低差があるのは、
仮設桟橋の規模を抑えて、
視覚的な圧迫感を少なくするためです。


この桟橋間の高低差を解消するのが『建設用リフト』です。
中央道から現場に入った、
さまざまな車両がこのリフトで昇降し
高尾山側の作業エリアに向かいます。


リフトの最大の積載量は55トンです。
55トンをいっぺんに運ぶことのできる
エレベータを見たことがありますか!?

建設用リフトは車両専用なので人を乗せることはできませんが
仮に人が乗るとすると、
700人程度を一度に上下させる能力を持っています。


今日はコンクリート打設の日。
コンクリートミキサー車が
リフトで昇降しながら
生コンを運搬しています。

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