現場の力
April 8 [Fri], 2011
おはようございます。
今回は土木一期工事の竣功スペシャルということで、つくり上げた高架橋・橋梁・道路だけでなく、この構造物(現場)自体を直接つくり上げた現場の力、職員・職人の方々もご紹介したいと思います。
どちらを先に紹介するか迷うところですが、やはり「良いものは後にとっておく」という行為にしましょう。ではでは、まずオードブルとして現場に携わった方々の一部をご紹介いたしましょう。単純に人だけを載せてもつまらないので、微力ですがイラストレーターとしての力を加えさせていただきます。

【壱】職員
群馬からの刺客:角田
自慢の声と単純明快な性格で、人を動かし現場を押し進める。
職員は、施工計画をつくり、協力会社との調整を行う。
作業前日に施工指示、安全指示を行い、当日の朝礼にて周知する。
事故が起きないように、作業中の現場点検・安全巡視を行い、
安全設備等を先行させることが重要。
(所長、主任を軸に10名ほどの職員がいますが、
顔出しNGとのこともあり、再び私を登場させていただきます。)
現場は生まれてから、所長、主任の力・仕事運び(育て方)次第で
いかなる形にも変化します。
この現場は、その力が存分に発揮された形となっております。

【弐】測量工
福島からの刺客:佐藤氏
光波測距儀を用い、ミリ単位で地球上での位置を出す。
蟻の眉間にもポイントが出せるほどの精度を要している。
測量は、ものをつくるうえでの必須作業であり、
間違いは認められないため、位置出し後のダブルチェックが重要。

【参】土工
熊本からの刺客:関戸氏
重機・スコップ等を用い、どんな場所でも掘りあげる。
また、あらゆる建設道具を使いこなし、万能に仕事をこなす。
土工は、構造物の基礎を構築するうえでの必須作業であり、
地山や土留めの状態を把握・点検し的確に掘り進めることが重要。

【肆】鉄筋工
北海道からの刺客:広川氏
鉄筋ハッカーを用い、なんでも縛り上げる。
近年は、耐震を考慮した構造となり鉄筋量が非常に増えている。
そのため、鉄筋組立は知恵の輪を解くかのように図面(鉄筋図)を解読し、どう組んでいくか順番・方法を考えることが重要。

【伍】大工
青森からの刺客:坂本氏
金槌や鋸を用い、木材等でどんな形のものでも作り上げる。
型枠の組立は、景観が良ければ良いほど難しくなる。
木材と型枠材をうまく扱い、綺麗な曲線などを描いていく。
型枠組立は、コンクリートの最終形を決めるため、
通り、立ち、型枠表面のキズの有無を確認することが重要。

【陸】保安工
東京からの刺客:隊長
列車の接近をいち早く察知し、待避合図および指示を出す。
列車支障が起これば、直ちに信号煙管等にて列車防護を行う。
営業線近接作業においての重大な任務を担う。
その他、重機誘導、交通誘導なども行うことが出来る。
無線にて、全保安員に的確な指示を送り、また受けることで、
俊敏に対応し、現場をまわすことが重要。
以上が、現場の原動力であり、今後のインフラ整備を行っていくために必要不可欠な財産(人)です。我々は社会基盤を再構築し、今後もみなさまの住みよい環境と生活の手助けを行っていきます。
正直、土木は仕事中スマートとは全く言えません。しかしながら、完成品を見ると非常にそそられるものばかり。子供の頃、無我夢中で遊んだり部活をして、服を汚したり、濡れた格好で帰宅して怒られたことってありませんか。
怒られつつも、実際は心の中で、'一生懸命取り組んだ証'、'部活で頑張った証拠'と誇らしげに思っていたことを覚えています。
つまり、大人が外で服を汚してまでも夢中になり、一生懸命に手をかけてきたもの、それがまさにこの土木構造物だと思います。それではメインディッシュの一期工事の完成品を見ていただきましょう。
まず始めに、簡単ですが工事全体の略図をいれさせていただきます。
南多摩駅を中心に、黄色で着色した範囲に高架橋および路盤を構築し、橙色で着色した範囲に橋梁を構築しました。


【1】大丸第3踏切
工事の最も起点側の踏切です。
前後の高架橋よりも踏切部はスパンを長くし、
踏切下の道路幅員を確保しています。
こちらは北側からの撮影写真です。

【2】大丸第5踏切
第3踏切同様にスパンを長くし、対応しております。
落下物がないように、2重3重にも防護を行い、施工しました。
こちらは、南側からの撮影写真ですので、防音壁として
高架橋脇に高欄が設置されています。

【3】高架上(府中街道から川崎方)
こちらの写真を見ていただくと、民家と非常に接近しているのが
わかります。今回の工事は、このように営業線と民家との間、
うなぎの寝床みたいな箇所での施工でした。
工期がない中で、施工の順番や搬入路の確保が極めて重要でした。
現在は軌道に引き渡しを終え、軌条作業を行っている状態です。
また当社も2期施工を行うために、高架下り線に対する線路防護網を
設置しているところです。

【4】高架上(ホロー桁上)
こちらはホロー橋の上部です。ホローは上下線1箇所ずつ
両側に高欄がつくため、このような形となっております。
再びあの650tクラスの巨大クレーンが稲城市に現れるかもしれませんね。

【5】ホロー桁(北側より)
府中街道を跨ぐホロー橋です。
前々作でご紹介した中空ホロー構造です。

【6】ホロー桁(南側より)

【7】南多摩駅新設ホーム上(東から西)
右手に見えるのが、現在の南多摩駅のこ線橋です。
駅のすぐ脇での施工となり、高架橋の中で一番苦労した箇所です。
さすがにこれだけ接近したり、一部駅に張出していると、
駅、信号、電気等の既設設備、新設ホーム施工での協議に非常に時間を要しました。
これから建築が施工に入り、上屋の鉄骨関係の仕事が行われ、
みるみるうちに新しい綺麗な駅の姿が現れてきます。

【8】ランガー橋(斜め)
前作でご紹介したランガー橋です。
これぞ橋梁といった優雅な形・アーチを描いております。
この現場での最大スパンとなり、43mの橋長となっております。
南北に通る337号の都道工事もほぼ終わり、開通間近の状態です。

【9】ランガー橋(正面南側より)

【10】ランガー橋上部
こちらは前作で説明し忘れてしまった、もう一つの曲線です。
線形が曲線のため、ランガー橋自体にカーブがかかっています。
単純に幅を広くせず、曲線で仕上げるところにもさりげない技術があります。

【11】線間舗装、ランガー下舗装
線路内の舗装には、線路閉鎖+き電停止という夜間の限られた時間で
行いました。舗装は簡単に見えますが、線路内で行うということで、
電車線設備、レール等への配慮が極めて重要でした。

【12】高架下
下からみると、また一風変わった景色で柱の角で梁のアーチが際立ち
芸術作品にも見えます。これから排水設備を整え、
2期施工が完了すれば、高架下の活用が始まり、
街に活気を生み出すことになるでしょう。
以上で1kmにわたる施工区間をご紹介させていただきました。
写真や言葉では表しきれないことが、実際はまだまだたくさんあります。
特に現場(人)を動かすには、正面からぶつかっていく熱さが絶対不可欠であり、それは人に伝わります。
新しい土地や人との出会いは、一生の宝です。
最後に、このような工事に携わらせていただき、みなさまの御理解と御協力のもと、最後まで行えました。本当にありがとうございました!
若い力、そして仕事(人生)に迷っている方へ
外に出て、最前線で働くのも非常にいいことだと思います。汗水垂らしたり、時には寒くて鼻水も垂れますが、そんなことが
思い出となって蘇ってくるのは、青春時代とこの仕事だけかもしれません。他の仕事をしたことはありませんが、そんな気がします。
あついヤツはウザイけど、人を見放さないし、人をよく見ています。
少しでも、建設業がいいと感じたら、地図に残る仕事を一緒に行い、喜びを分かち合いましょう!

